第二章 たった一人の軍隊

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そんなこんなで深夜に包丁持って仁を追い回してたら、お父さんを起こしちゃったみたいで『過激で特殊なプレイをするのはいいが、明日は学校なんだから寝たほうがいいぞ~』って言われたから、 「おい」 ほら、もう遅いし、夜は危険がいっぱいだってことで仁には泊まってもらうことになりました。 「なんで同じベッドで寝ることになったわけ?」 ついでにいうと仁は私の部屋で私のベッドで一緒に寝てますハイ。 「(こうなれば一気に既成事実作って詩織を追い抜くしかないじゃん)」 「ブツブツなに言ってんだ?」 「ヤろっか?」 「え、なに? 俺、ついに、ヤられちゃうの?」 あれ? なんかガタガタ震えてる? ついに童貞卒業できるからって、震えるほど感動しなくたっていいのに。 「その、命だけは勘弁してください」 「……………………………………ふざけてないで、さっさとヤられろ」 「お、落ち着け。殺しはなにも生まないぞ!」 …………、もしかしてジョークだと思われてる感じ? 「一つ聞くけどさ」 そもそも私だって女だし、プロポーションだって平均より上だし、胸だってDはあるし、仁が好きなうなじを出すためにポニーテールにしてるのに。 「女の子と二人で寝てる今の状況―――どう思ってるわけ?」 「? ガキの頃から一緒に寝てたし、特になんとも―――」 ドグシャ!! と。鈍い音がした。 原因は私の拳が仁の腹にめり込んでいるから。 一言で言えばぶん殴った。 「まったく。ちょっとは意識してくれたっていいじゃない」 さっきの一撃は効いたようだ。完全に気を失ってるし。 それにしても。 「なんか、固かったような…………?」 仁って固いって感じるほど腹筋を鍛えてたっけ?
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