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文久3年
肌寒い風が吹き抜ける今日この頃
昼間の暖かさはどこへやら、
夕時には涼しい空気が辺りを覆う
日が暮れるのも、心なしか早くなった気がする
足早に屯所に帰る私は、だんだんと暗くなる道を独り歩いていた
沖「寒いですねぇ…」
と言っても、ほんの少しだが…
白月が、いつの間にやら黄色く姿を変えている
日課になった私の外出も、今日で6日目
足腰を鍛えるついでだと思えば、少しは報われた
結論から言うと、何の進展もなかったのだが…
沖「お疲れ様」
?「沖田先生!お帰りなさいませ!!」
―京都守護職御預かり壬生浪士組屯所―
そう書かれた看板
その奥が私の家だ
私こと沖田総司は、ここ壬生浪士組の副長助勤で江戸から上った…世に言う田舎侍とゆー奴で
お上を守ろうと立ち上がった浪士の一人なのだが…
皆はさておき私は、忠誠心など持ち合わせていない
味気ない毎日
人を斬ることに快楽を覚えつつある体
だんだんと冷めていく心と裏腹に、私の思いは幼くなっていく
現実逃避というヤツだ
沖「土方さ~ん♪」
スパーンッ!
土「nと…毎度毎度…」
沖「…♪」
土「いい加減にしやがれーーッ(怒」
ちなみにコレは、土方歳三
浪士組の副長で女誑し!
私の玩具ですが、そろそろ機種変したい所です
土「テメェ 開ける時は静かにしやがれ!
墨が飛んだだろーが(怒」
沖「そんなの知りませんよ!
こっちは誰かさんのために走り回ってるってゆ~のに(黒」
沖田の長い茶髪が揺れた
赤い髪紐 その先端に付いた鈴が土方の目に止まる
土「…で…見つかったのか?」
紫の瞳は観破したものの、答えを待つ
そんな姿勢に、少しだけ苛立ちが湧いた
沖「簡単に言わないで下さいよ
白猫なんて、なかなか居るもんじゃありません!
…擬きは居ましたけど;」
土方さんに頼まれた私は、白猫探しをしている
あ~、理由は面倒なんで省きます!
兎にも角にも、猫を見つけ歩いている訳ですが…なかなか居ない
ようやく見つけたと思ったら、うっすら柄があったりと
猫も猫で違うらしい
沖「私がこの6日、何匹の猫と鬼ごっこしたと思ってるんです?(黒」
そう、最近の私は、フラストレーションの塊だ
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