Sleepy time

18/19
前へ
/242ページ
次へ
「誠也!」 チャイムが鳴って、怒鳴っていた先生にお構いなしな天野は、ガラッと窓を開けて先程の男子に話しかける。 「パン頂戴」 「金よこせ」 「貸した金返せよ」 そんな会話を頭上に受けながら、欠伸をしてチビを見た。 正座していた筈の足はいつの間にか胡坐になっていたようで、いやこれは俺も無意識の犯行。 壁にもたれたままの俺に、チビはどでかいため息を残してそこを後にした。 ふっと目に入る窓越しで会話する天野、…の短いスカートから覗く白い足。 その足が背伸びをした。 瞬間見えた原田の大好きな世界。 …ピンクですか。 「誠也ー、昨日さぁ…」 あぁ、背伸びしてスカートの中身がひらりとこんにちはした訳は、このせいやの耳に近付いた為だったんだ。 何か耳打ちして笑い声をあげている。 楽しそうで何より。
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加