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「上野起きろ！」
「……」
起きたっての。
てか教科書じゃなくて拳で殴ったな、このチビ…。
「お前はいつもいつも…」
「……」
古文なんて寝る以外に活用方法があるのか。
あるなら是非お聞かせ願いたい。
「ふぁ…」
「上野ーーーッ！！」
隣でぎゃーすか喚くチビの声に、お構いなく出てくる欠伸。
体は汗でびっしょり。気持ち悪い。
「ったく、お前は……」
騒ぐだけ騒いでぶつぶつ言いながら定位置へ戻るチビ。
が、途中で立ち止まった。
そして震え出す。
一番後ろの席の俺からもはっきり見える体の震え。
おいおい大丈夫か。
倒れたりしねーだろうな。
チビの心配をしていると、クラスメート達が俺を見てくすくす笑っていることに気付いた。
くしゃくしゃと髪を掻く。
少し湿っていて不快感。
と響く声。
「お前もか天野！起きろーーーッ！！」
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