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新しい春...そして出逢い
俺の目の前には6つの扉がある。
ここがどこかも分からないし、どれを開いたらいいかも分からない...
扉にはみんな別々の色で、どれも眩しいぐらいに輝いている...
一つは...全てを呑み込んでしまいそうな宇宙に似た黒の扉...
一つは...森をイメージさせるような、とっても優しい緑の扉...
一つは...生命の源。海を連想させるような青の扉...
一つは...力強く何者にも負けない雷のような色をした黄の扉...
一つは...神々しく一点のけがれもない純白...白の扉...
一つは...燃える夕陽のような、クリムゾンの色をした紅の扉...
俺は扉を開ける覚悟を決められない...
開ける事によって何かが起こってしまいそうで...
「決断を急ぐことはない少年」
何処からか懐かしい声が聞こえてきた...。
「『遠峰詩音』(トオミネ シオン)...君はこれから特別な力を持った人に出逢うだろう...。
それは決して一人とは限らない。
そいつらは、君にとって大切な者
君自身が本当の答えを見つけ出した時、またこの場所に戻って来る...」
そして、声が遠ざかって行く...
「待ってくれ!」
そう叫ぼうとするが声が出ない...
そして、俺はいつの間にか意識を失ってしまった...。
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