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ある冬のこと
薪が足りなく森でせっせと枝を拾っていたら
珍しいものを森で見つけた
なんともまあどうして来たのか
ヒトの子供が一人、雪に埋れて倒れていた
「おーい。生きてるか―」
拾った薪でツンツンつつく
生きてるのなら拾えるけれど
死んでいるなら話は別だ
森で落ちてる亡骸は、みんな森の栄養になる。
私が勝手に手を出したら、森のやつらに怒られる。
しかしいくらつついても。
ピクリと震えもしやがらない。全く、反応なし。
「あー……こりゃダメか」
どうやら、ダメなようだ。私にはどうしようもない。
残念無念ご臨終。
いくらワタシが魔女だからって、何でも出来ると思うなよ?
「じゃあな少年。願わくば安らかな死後を」
ヒラリヒラリと方向転換。シーユーアゲイン、また今度。
次に会うときゃ別の姿で。
ここは冬はめっちゃ寒いから、毛むくじゃらなのになれるといいな。
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