プロローグ:地球の平和を守るため

3/3
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
 彼は足元に置いてあったボストンバッグから特撮ヒーローが使うようなベルトを取り出し、腰に巻き付ける。 「オペレーティングシステム『MESSIA(メサイア)』起動──」  ベルトに取り付けられたレバーを右手で一度引き出し、180度回転。そして彼はその状態のまま、ガシャンと元の位置まではめ込む。 「変身!!!」  瞬間、目映い光が少年を包み込んだ。数秒後に光が消えた時、そこに居たのは無力な一人の少年ではない。  紅蓮のマントをたなびかせて佇む、誰よりも強く、誰よりも勇敢で、誰よりも優しい“英雄(ヒーロー)”だった。 「みんな、待ってろ……今行くから」  彼は翔ぶ。多くの人間が自分の助けを待つ、敵陣の中枢へと。 ──これは一人の少年が世界を救うまでの、ありきたりな物語である──
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!