3人が本棚に入れています
本棚に追加
彼自身は体の熱さに気を取られていたのか
角が生えてきたことに違和感を持っていなかった。
ふと腕にむずむずと違和感を感じ始めていた。
そんな感覚に疑問に思いふと見てみるとその体色が人間の肌色から艶やかな紺碧色へと移り変わっていた。
その肌が硬質化し、強固な鎧とも言えるような刺状突起がある大型鱗を形成していった。
自分がこれから何に変わるのか…彼は改めて自覚したのだろう。
「服…脱いだほうが…いいよ…な」
体の熱さと変化による感覚から意識が朦朧とし始めていたが
服が破れてしまうのには躊躇したのか変わりゆく腕を動かし服を脱ぎ始めたのだった。
「痛っ!?」
上衣を脱ぎ終えて、下衣を脱ごうとしたときに太腿から鋭い痛みが彼の神経が伝えた。
太腿についてしまった傷口から赤い液体が足を伝って流れているのを感じた。
一体何が?という思いで腕を見てみると小指が退化し、4本となった指から赤く汚れた鋭い爪が生えており、
手全体が大きく発達していた。
まだ、人間のままである人間の足を己の爪で傷つけぬように下衣を脱いでいった。
最初のコメントを投稿しよう!