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そんな秘術を彼は研究をしていた。
この秘術を成功させれば彼の名は魔導師の世界において注目を集める存在となり
この家の跡継ぎとしてその名に恥ぬ魔導師としてなれる…そんな野望が見え隠れしていた。
「おっ!あったあった。やっと見つけた。」
秘術なだけにいつも行っている研究とは訳が違う。
精神的な面でもこれまで以上に神経質になっていた。
この前休憩を取ろうと研究を多少中断しているだけでも研究の事が気になって仕方が無かった。
どうしてもいつも以上の緊張感を持ってしまうのだ。
「この言葉を詠唱し…へぇ~意外と詠唱魔法なのか~
てっきり魔方陣とか描かないといけないのかと思っていたからこれは意外な感じだな。」
(んで人間に戻る際はこの言葉を詠唱してっと…)
案外その魔法が魔方陣を必要とするものではなく
詠唱のみで済ませられると知った時に彼は深い安堵の表情を浮かべていた…
と同時に少しばかり落胆した表情も混じっていた。
秘術というものだから大掛かりな準備を要する魔方陣を必要とする
ものだと半ば決め付けていたところがあったかもしれない。
秘術とう言葉にわくわくしていた彼からすれば、やや幻滅する事実であった。
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