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少女は口一杯にアイスを突っ込んで歩いていた。
彼女は近くの鳴動高体育科に通う、高一の三倉桃と言う名の者である。
そんな彼女は今現在イライラと為ている。
その理由は。
「・・・暑い」
七月中旬の暑い時期だからだ。
「梅雨、もう終わったのか?」
そんな事を呟きながらアイスをハイペースで口の中に入れる。
「あ、駄目だこれ、絶対に倒れる。死んだら柚綺お経唱えてくれ」
「馬鹿言わないの」
桃の発言に厳しく言ったのは同じくアイス頬張る柚綺だ。
小安柚綺。
同校の普通科の人で、入学当初に馬が合って以来ずっと一緒に行動している。
「あんた名前は可愛らしいのに中身ズタズタだよね」
「五~月~蝿~い」
桃はアイスをハイペースで口に入れ続ける。
その様子を柚綺は笑って見る。
「そう言えばもうすぐ谷代町のお祭り有るよね。行くでしょ?」
柚綺の言葉に桃は「う~ん」と考える。
アイスを全部食べ終わった桃は棒の先を見て、笑う。
「・・・たまには良いかもね」
棒の先には<当たり>と書いてあった。
桃の父親母親は他界と言う状態を、中学中盤から為ていた。
桃は最初はそれを不満だった。
だって、家事とか面倒だから。
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