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寂しいとか、悔しいとかの感情はあまりなかった。
どうしてそんなに冷たく出来るのかは自分でも分からない。
桃はついひたってしまった。
そんな時。
―――ポチャン
「――?」
桃は水の音が聞こえた気がした。さらに。
――――――か。
「ん?」
突然男性の声が聞こえた気がした。
が、すぐ気のせいかと気をとりなおす。
―――誰―き―――か?
「んなっ!」
桃はびっくりして立ち上がる。
「・・・どうしたの?」
柚綺が桃の変化に気付いて声をかける。
―――え――人の――!
今度は先ほどの声と全く違う声色が響く。
「誰だよ!誰かいんのか?!」
桃は周りを見渡す。
―!?貴さ――――の――・・・
「・・・??」
その囁き声を最後に、何も聞こえなくなった。
「・・・なんだったんだ?」
空耳?病院に行った方がいいだろうかと思いながら柚綺と家路についた。
―ら!て―――む―――!
その場に風が吹いた。
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