74人が本棚に入れています
本棚に追加
夜。谷代の神社が火の光で明るくなり、騒がしくなった頃だ。
桃は浴衣を着て柚綺と屋台をまわっていた。
桃は林檎飴をくわえている。
「ん~、次何処行こうか?」
柚綺は飴に苦戦している桃に聞く。
「そだな~」
桃が食べ物の屋台を考えている時。
―――――パンッ
近くの屋台から乾いた音が聞こえた。
しかも人だかりが多い。
「―んだ?」
桃は柚綺を連れて人混みをかきわける。
そして見つけた人物は。
「・・・れ?あんたか」
屋台の射的を百発百中で当てて景品を山盛りにとっている男子。
桃の幼馴染みの久世大和であった。
「!――よぉ桃、小安。奇遇じゃん♪」
大和は調子が良いのかご機嫌だ。
対して屋台のおじさんはハンベソ。
「大したもんだ、流石だね。何か頂戴よ~。てか取って大和」
桃は景品をあさりながらいった。
「良いけど金払えよ。何れよ?」
桃は大和に促される。
桃は景品を簡単に見渡した。
その中で綺麗な白いマガダマを見つけた。
「・・・・あれか?」
大和は桃の視線の先に気付いて、そのマガダマを指して聞く。
桃は大和を見た。
そしてマガダマを見て頷く。
「待ってな・・・」
大和はすっと構える、そして。
最初のコメントを投稿しよう!