74人が本棚に入れています
本棚に追加
――パンッ
一発で十分だった。
大和はマガダマをいとも簡単に射ち落とした。
「ほれ―」
大和はポーンとそれを桃に投げ渡す。
桃は両手でキャッチした。
「さて、もう十分取ったし、出るか」
大和がそう言うと屋台のおじさんは嬉しそうな顔をした。
「よし。桃、金払えよ。ついでに焼きそば奢って」
「―――――マジっすか」
大和は「ついてるなぁ」と思いながら屋台を出た。
「・・・それどうするの?」
景品の山を見て柚綺は聞いた。
「あぁこれ?菅琉と尭哉にやるんだ」
大和は笑って言う。
しかし柚綺は首を傾げる。
「スガル?タカチカ?」
「菅琉と尭哉は大和より8下の弟だよ。双子」
お金を払って出て来た桃が柚綺の疑問に答えた。
「このブラコン!」
桃は溜め息をつく。
「クハハハハハ♪」
そんな桃に大和はグリグリッとこめかみを押す。
桃は「ギャアア!止めれアホウ!」と言い大和から逃れようとする。
柚綺は乾いた声で笑って言う。
「楽しそうだねバカップル?」
「「誰と誰がカップル~!!」」
柚綺は笑って「違った?」ととぼけた。
「柚綺の奴、生意気な・・・」
桃は大和に焼きそばを奢ってから思った。
最初のコメントを投稿しよう!