―プロローグ―

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 昔、東西南北の国が互いに争い、人々が熾烈で残虐な戦いを繰り返していました。  長い長い戦争は各国の国民を疲弊させるだけでした。  このままでは共倒れになるのが容易に予想され、一時休戦という形ですが戦争は止みました。  戦争で一番被害を負ったのは東の国でした。このままでは滅亡の道を辿るだけになった東の国は鉱物資源に手を伸ばしました。  産業も発達していなければ、特出した農作物のない東の国の最後の足掻きだったのでしょう。  この足掻きは東の国を這い上がらせてくれるものとなります。  幸運にも"何か"を発掘したのです。  「神の恩恵だ。神が私たちにこの石をお恵みになった」と国民は口々に言い大いに喜びました。
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