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その何かとは石でした。
エネルギー資源でもなければ、化石燃料でもありません。
上流階級の者たちが自らを華やかに美しく飾るだけの装飾品と同種のものです。
しかし、ただの石でもありません。見たものが思わず賛嘆の声を零してしまうほどのものだったのです。
濁りや形の差異はあれど、不思議なことに赤、青、緑、黄、茶、黒、白と色がしっかりとはっきりと分かれていました。
一つ残念なことに、とつもない強度を持つこの石は加工することが出来ませんでした。
しかし、元から美々しく艶やかな石に余計な手を加える必要などなかったようでした。
市場に出回るようになりますと、瞬く間に売れてしまい、人々がそれを求めました。
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