―プロローグ―

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 東の国はそれでも発掘を続けました。  不思議な現象を起こす石でも欲しいというものはそれほど多かったのです。  一時は同盟解消かまで言われた東の国ですが、原因を解明してくれる巨大な透明の石を発掘しました。  発見された石は無色透明で大の大人が2人がかりでないと運べないほどの巨大な石でした。  これを我が物にしたいという者は殺到しましたが、東の国はこれは展示するだけにしました。  多くのものはこれを見るためにに足を運びました。  しかし、主催側にいくつもの苦情が再び届いてしまいます。  巨大なこの石は透明ではないと次々に届きます。  触らないように注意をしていたのに、興味本位で触れたのでしょう。  してはいけないことをしてしまうのは人間の性なのです。  もちろん、この者達は罰せられましたが、不思議なことが起こると知りたくなるのもそれもまた人間の性なのでしょう。  長年に渡りその現象を調べてみますと、色が変わると言った者達はみなあの不思議な経験をした者であったようです。  そして、赤と言ったものは火を、青は水を、緑を風を、黄は雷を、茶は地を、黒は闇を、白は光を扱うことができることがわかりました。  そんな奇跡の技を手に入れても東と南は石を利用しようとは思いませんでした。
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