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「最近、何か面白いニュースはあるかい?」
旅人は、少し考える。
何を考えているのか…
それはわからない。
まあ、わかってもおもしろくない。
「面白いかはわかりませんが…変な集団が最近暴れまわっているようです」
変な集団…
「へぇ…変な集団…
どんな集団なのかな?」
「いや、名前しか知らないんですけど…」
「うん、どんな名前?」
さあ、教えて…
「…生贄団…
何か危険な集団らしいですよ」
いけにえ…違う…
「ああ…うん…それは初耳だね
私も気をつけなきゃね」
その後も、他愛の無い話を続けた。
そして、来店から2時間ほど過ぎた頃…
きょろきょろと旅人が周りを見回しだした。
「ん?どうしたんだい?」
「いやっ、あの…誰も来ませんね」
「ああ、そうだね…
いつもは、もう少し来るんだけどね」
言うが早いか
旅人が、ガタッと席を立つ
「ん、おかえりかい?」
「えぇ…もう出なきゃ…」
何か違和感を感じとれたのだろう…
惜しい人材だ。
また会ったら、スカウトしてみようかな。
いや、会えたら…か。
「そうか…じゃあ、送るよ」
「えっ…?送る?」
カウンターから出て旅人の横に立つ。
大丈夫、ちゃんと還すよ。
「ご来店、ありがとうございました…
では、行ってらっしゃい」
「えっ!あのぉっ?!」
カランカランッ
開いたドアの先に旅人を突き出した――――
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