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白い世界で、私は目を覚ました
「…夢…ではないか…」
周りを見る
何もない…いや、"いる"
誰かが"いる"
「…誰かな…?」
魔法…は使えないか…
何者かが語りかけてくる
『やあ…自己紹介をしよう…私は』
『「私だよ」』
「だよね、わかってるよ」
『なら、話は早いね
この世界について教えるよ』
「ああ、ちょっと待ってくれないかい
長年気になっていた事があってね」
『ん?なんだい?』
「君は、どこの私だい?
この世界の私が説明するのなら、前の世界でも私が説明しなければならなかったはずだ」
『うーん…私は君であって君じゃないんだ…わかるかな?』
そんな事は当にわかっている。
私が知りたいのは君の事だ。
だが…多分教えてくれないのだろう。
「…わからないな…まったく…
ただわかるのは、色んな私が私の場所を代わる代わる使っているという事かな」
少しの沈黙
私は少し考えているようだ
『そうだね…その考えは間違いではないよ』
「でも、彼女からは私個人に向けて言われてる気がするんだ」
『ああ、彼女は君に向けて言ってるね
君は私の中でもかなりのシフト回数だよ』
「そうなんだね…じゃあ今回は長く居続けられるよう頑張るよ」
『では、この世界の私について説明するよ―――
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