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渡辺先生は青チョークで大きく×印をつけて
「はいこれは間違いこんなもんが出来んかったら高校に行けんぞ矢部、一年からやり直せ。」
ベランダ側の一番後ろの席に座っていた泰久は立ち上がって廊下側の一番後ろに座っている達樹の所に行き
「やり直す必要はねぇぞ、やり直すのはド真ん中に偉そうに人に毒を吐くあいつなんだからよぉ。」
渡辺先生を睨みつける泰久に
「桐谷その目はなんか、先生は間違った事は言ってないぞ。」
渡辺先生は自信満々に言い切る。
「はぁ?」
泰久は自信満々な渡辺先生を見て言葉を失う。
「出来ない奴は一年からやり直せばいいだろこの問題は二年生で出来てなければいかんとぞ、俺はみんなに教えないかんから個人に教えちょる暇なんてない、時間の無駄やから。」
渡辺先生の発言に泰久はブチキレる、教卓の前に立つと教卓を渡辺先生ごと押し倒した。
「な…何すっとかぁ。」
渡辺先生は泰久に怒ると
「キレてんのはこっちの方だ、一年からやり直せだぁ時間の無駄だぁ、なめた事抜かしてんじゃねぇよコラァ。」
渡辺先生に喰ってかかる泰久。
「分からないなりに頑張って解こうとしてたあいつにあんたは時間の無駄だって言って無理やり解かせたよなぁ、生徒が頑張ってる時間に無駄な時間なんてあるわけねぇだろ、分かんない生徒がいるからあんたら先公がいんだろうがよ。」
泰久は渡辺先生に掴みかかるが渡辺先生は生徒指導の田中先生に報告すると脅す。
「言いたきゃ言えよ、俺はとことん戦うからよぉ。」
泰久は渡辺先生を放し自分の席についた。
休み時間に入り泰久は生徒指導の田中先生に呼び出される。
田中先生は泰久の頭を叩き叱る、泰久は事情を説明するが田中先生は聞こうとせず只一方的に泰久を叱り続けた。
すると泰久は近くにあった机を蹴り飛ばす。
「生徒の事は信じねぇってか、てめぇら大人はどんだけ腐ってんだよ。」
泰久の発言に田中先生は張り手を見舞う。
「お前が悪い事をしたから怒ってんだ、それくらいも分からんとか。」
田中先生の言葉に泰久の心は打ち砕かれる。
「生徒の気持ちも知らねぇでズバズバ毒を吐く先公がいる限り俺は態度改める気はねぇからな。」
泰久は生徒指導室を出て行った。
3時限目の理科をサボった泰久は屋上に行った。
入道雲が聳え立つ青空を寝転がって眺める泰久の前に同じクラスの九重里奈が来た。
「どうしたんだ? 顔色悪ぃぞ。」
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