0人が本棚に入れています
本棚に追加
二人は外に出ると里奈が屋上から飛び降りようとしていた。
「何やってんだよ。」
下から叫ぶ泰久に里奈は
「もうこうするしかないとよ、苦しくてたまらんもん、苦しい思いすんのはもう嫌…。」
泰久は言葉を失う。
すると宏武と結城が笑いながら
「そのまま飛び降りて死ねよ、俺達は助かるかいよ。」
と叫ぶ。
先生達も出てきた為その言葉を聞かれてしまった二人は逃げようとする。
泰久は二人を追いかけ捕まえ二人を殴り飛ばす。
「何が死んでくれれば助かるだコノ野郎この世にはなぁ無駄な命なんて存在しねぇんだ、例えお前らが里奈を必要としてなくても里奈を必要としてる奴は必ずいるんだ、そるだけは忘れんじゃねぇぞ。」
泰久は二人に言うと里奈が今にも飛び降りようとしていた。
「里奈、苦しかったなぁ辛かったなぁ、でもなぁ俺は小さな幸せ見つけたよ。」
泰久は里奈に語りかけた。
「私は辛い思いしかしてないし幸せなんてないよ…」
里奈は飛び降りてしまう、泰久は一目散に落下点に走り見事にキャッチするが両腕を激しく強打してしまう。
痛みに耐える泰久に里奈は
「なんで死なせてくれんかったとや。」
と泣きながら言う。
「バカ野郎、死んだら楽になんのかよ。残された家族が悲しむだけじゃねぇかよ、そしてまだ俺は里奈との約束が残ってんじゃねぇかよ…。」
泰久は里奈の頭を撫でるが激痛が襲う。
後ろを振り返り
「生徒の事を思ってんなら学校の評判上げる事だけじゃなくて生徒の話を真剣に聞く耳持てよ、小さな尊い命が無くなる所だったじゃねぇかよ。」
泰久は先生達に訴えた。
「いじめは時には人の人格変えちまうんだよ、里奈のようにホントは笑えば可愛くて優しい奴なんだ、今は見ての通り心の底から傷ついて泣いてんじゃねぇか、こんな学校で良い学校って胸張って言えるわけねぇだろうがよ。」
的場教頭が里奈の前に立ち
「すまなかった、この通りだ。」
と頭を下げた。
宏武と結城は生徒指導室に連れて行かれた。
「これで解決するといいな、でも、里奈が死なずに済んで良かった。」
泰久は胸を撫で下ろした。
里奈は
「私、もう一回頑張ってみるわ。」
と泣きながら言うと泰久は微笑みながら
「俺が作ってやるよ、どこまで出来るかわかんねぇけど里奈が楽しくて笑顔になれる学校をな。」
と言った。
里奈は泰久の胸の中で思い切り泣いた。
最初のコメントを投稿しよう!