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『さて、夢幻君。君はいったい、何故此処に居るのだ?』
藤堂は美味そうに紫煙をくゆらしながら、清四郎に問い掛けた。
『それは博士もご存知でしょう?それよりも博士。貴男は今、どこに居るのです?』
『ふむ…質問したのは私なのだがな…まぁ、君だから答えよう。私が居る場所は…黎明の地だ』
『黎明の地?』
清四郎の言葉に、藤堂は愉しげに笑った。
『ほう!?なんでも知ったような顔をしてる君にも、知らない事があったとはな!私が居る場所は、あの世とこの世の狭間にある場所だよ。夢幻君』
藤堂の言葉は丁寧ながらも、その端々にそこはかとない悪意と狂気が漂っていた。
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