プロローグ 全ての始まり

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助手は私が書いた紙を手に取るとそれに目を通し始めた 「しかし博士、今時こんな紙に歴史書纏める人なんて居ませんよ?」 助手は呆れたように私に言う、目線は紙の方を向いたままだ 私はわざわざ助手を見る必要がないと思い、起動して置いたモニターの方を向いたまま彼に答えた 「私はデータを信用してないのさ、特にあまり見られたくないものはこうやって纏めるのさ」 彼は「博士らしいですね」と笑った後また紙に集中し始めた 「だからこそこうやって新しい発見をしたのさ、世界を変えられる程の物をね」 私は嬉しさもあり若干頬が上がった そう、私が発見したのはGNドライヴを始めて開発したイオリア・シュヘンベルグに並ぶ発見だと自負していた 「早く完成すると良いですね博士」 「そうだな、こうやってアロウズから艦を一隻貸してもらったのだからな、絶対に完成させるさ」 私は意気込んだ、助手も私の背中を後押ししてくれている 完成しないはずがないのだ 『刹那、準備は良い?』 ダブルオーのモニターに移るスメラギに「問題ない」とだけ答える コンソールをいじり最終調整を終わらせる 今回のミッションは新型のMS、重要人物の護送戦の撃破だった もしこれを逃したら中東地域の圧政に拍車が掛かってしまう (なんとしても阻止してみせる…) 地球連邦政府の中東の圧政は日を見るからに明らかであった、太陽光発電建設に反対した中東はその煽りを受け、連邦からの支援を受けることが難しい、連邦も食料支援を行い懐柔策を行った 中東の連邦への参加が本格的に始まった しかし連邦の思惑は別のところにあった それは中東の再開発方法であった 中東の原住民を宇宙に上げ、連邦の高官が中東を納めるという強攻策であった
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