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宇宙(そら)の環境がまともであるなら、この案は受け入れられたであろう、宇宙の無重力感は地球で住んでいる者には馴染みのない新しい空間であるし重力の環境下では重いとされる物資の運搬は宇宙では簡単に済むし、地面に縛りつけられることなく縦横無尽に動ける環境は地球にはないものがある
宇宙は”働く”という環境で言えば重力に縛られるよりも簡単である、人間が生活できる環境さえ整えば理想的な環境といえよう
しかし、理想と現実は違うのである
宇宙では政府の目が届きにくく、非人道的とも言える環境下で働くことが強いられる
酸素の生成、食料の供給、生活水の下処理、全てを自分達でまかなう必要が有り、その上で長時間の労働が義務付けられる
地球から送られる酸素を得るには税金が掛かるし、食料にも税が掛かる、下水の処理は必然的に自分達でやらねばならない、紛いなりにもまともな生活が送れるかというとそれは”否”であろう…
ただでさえ、地球ですら争いごとが起こるのだ、宇宙に目を向けるには人類はまだ”早すぎる”のである
そして、連邦に反対すれば…
連邦は武力を持ってそれに応えるのだ
反対するものが待つものはすべからく”死”のみであると…
(だからこそ…)
刹那は胸の中でぼそりとつぶやくとダブルオーを動かし専用装備、GNソードⅡを両手に持たせる
今は戦わなければならない…
ボソリとつぶやきならオペレーター、フェルト・グレイスの声を聞いた
『ダブルオーを右舷カタパルトに固定、発進準備完了』
「了解、刹那・F・セイエイ、”ダブルオーガンダム”出る!」
発進合図とともに、リニアカタパルトがダブルオーの機体を押し出していく
ショック・アブソーバーで軽減されたGを体に受けダブルオーは空に翔んだ
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