カメレオンの少年

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「では最後に、アニマルワールドに入ったらもうバトルは始まっています。いつ襲われるかわかりません」 「わかったぜ!」 「七色様、それでは…」 「あ、ちょと待て!食料は?俺腹減ってるんだけど」 俺は朝から何も食べていない。 「大丈夫です、指定の時間に食料がアニマルワールドの何処かに落ちてきます」 そう言って案内人は消えていった。 「落ちてくるって……うっ」 まただ、手紙を開けた時のように 意識が遠くなっていった。 目を開けると、俺はジャングルにいた。 「ここが…アニマルワールド?」 RPGの世界みたいだった。 「へへっ、手始めにあいつを殺すか…」 後ろから知らない男の声がした。 「誰だ!」 その男は自分のサイキックカードをスキャンサーにスキャンした。 「死ねー!!」 男の腕から糸のような物が出てきた。 「危ねぇ!」 ギリギリでかわした。 「ちっ、次は仕留める!」 「くそっ!」 俺もスキャンサーにサイキックカードをスキャンした、すると。 「ん?どこに行った!」 相手の目の前にいるのに、その男は俺が見えていないようだった。 そう、カメレオンサイキックは自分の姿を相手から見えなくする能力だからだ。 「出て来い!この腰抜け!」 だが、姿を見えなくするだけでは相手を殺せない。 そのとき、俺は鋭く尖った木の枝を見つけた。 「いいかげん出て来いよ!」 男は四方八方に糸らきし物を飛ばしている。 俺は男の背後に立ち、相手の首めがけて木の枝を突き刺した。 大量の血が吹きたし、男は倒れた。 俺はサイキックの発動を止めるためもう一度サイキックカードをスキャンサーにスキャンした。 男の死体は消え、カードだけが残った。 「スパイダー、サイキック?」 蜘蛛のサイキックだったようだ。 「これでスパイダーサイキックは俺の物だ」 カードを取った瞬間、真横にパラシュートを付けたアタッシュケースが落ちてきた。 「なんだこれ?」 中を開けると、食料などが入っていた。 「案内人が言ってた食料が落ちてくるってこのことか、けど何処に落ちてくるかわからない食料が真横に落ちてきてくれてラッキーだぜ。早速食べるか」 俺のアニマルワールドでの戦いは始まったばかりだ。
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