お昼にウナギ

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うん。 これも一般的な家庭の味や。 「この年で痛いおもっとるやろ?」 「う~ん。どやろ。まあ、二十五やったら結婚して子供おる子もいるさかな」 「あんな。わたし、家から出たことないんよ」 俺のより一回り小さい弁当をつつきながら樹里が話す。 「そうなんか?」 「マジで、この街から出たことないんや。小学校は家から七百メートル先やし、通ってた女子中学、高校は一キロメートル先にあったし、短大は家から三百メートル先やったし」 「えらい、小じんまりした行動範囲の生活送って来たんやな」
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