お昼にウナギ

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樹里がここぞとばかりに椅子を俺にひっ付けるように移動させ 「うん。専務、アパート建てた土地も、前は親から受け継いだ畑やったみたいやし、それを活用しただけや。ワハハ言うて、税理士さんに確定申告の相談してたわ」 「ええな。二重に収入があって……夢みたいな話やわ」 「でも、あの三人、儲け根性だけは凄いよ。なにがあっても損はせん、みたいな感じやから」 「まあ、それくらい、根性すわってやな商売らできへんのやろな。二日、ここで仕事してよう、分かったわ」 そう言うと樹里が二重のクリクリした目をこっちに向けて来て、ジッと俺の顔を見据えてきた。
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