ピンクのスイートピー 2

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わたしが思ってた純粋な青年とは違う感じや。 そんなことを思いながら玄関から直ぐのリビングに入ると、中には二十人くらいの派手で強面の男の子がテーブルを囲んで缶コーヒーを飲んでた。 茶髪にモヒカン、赤に金色どこかの鳥ランドみたいや。 しかもみんな屈強な身体してるし、狭い部屋の空気が薄いし、一瞬で鳥肌立ってしもた。 「オッス!」 どこかの応援団みたいな掛け声を掛けられ、ビクリと跳ねあがり、信治君にしがみ付いた。 「こら、お前ら、怖がってるやないか。この人は会社で、俺の先輩なんや。失礼なことするなよ」 信治君がそう、紹介してくれたけど、二十人全員がわたしを舐め回すように見て来た。 こんな、不良の団体、間近で見たの初めてやわ。 それも、イケメンが一人もおらん。 世間で騒がれとる不良イコールイケメンの公式は嘘や。 信治君がイケメンに見える不思議なパラレルワールドやわ。
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