不幸の始まり

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「兄さん……年幾つ?」 「二十歳やって言うたやろ?」 二十歳…… 「実の子?」 「おう。正真正銘、実の子や。今日は金、借りに来たんや」 そう言うて笑った顔はミュウそっくりやった。 確かミュウは二十六や言うてたけど……まさか六歳で子供は産めんやろ? 俺は座ってる相手の両肩に手を乗せて 「一つ……聞いてもええか? ミュウは……兄さんのカーやんは年、幾つな?」 「はっきり覚えてへんけど……まあ、四十二、三ってとこ違うか。それに名前は光代やし」 四十二?
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