不幸の始まり

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『男は負けたらアカン』 俺こと織田信治18歳は大阪だんじり祭りの大工方やった親父にそう言うて育てられた。 『男やったら天辺目指さな』 確かにだんじりの大工方は花形で、だんじり祭りでは一番目立ってる存在や。 子供なりにかっこええ親父や思てた。 だんじりの天辺で扇子持ってチンドンチンドンと華麗に舞ってる親父は何よりかっこええし自慢やった。 同級生にも鼻高々に自慢しとった。 まあ、大きなった今でも、言ってることは分かるんやけどね。 やっぱ、子供に言うからには自分それをだんじりだけやのうて、日々、実行せなあかんのっちゃうんかって思うわけよ。
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