不幸の始まり

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俺に顔を踏まれた状態のマッパの修が 「ほんま。すまん。出来ごころや」 「お前、女やったら幾らでもおるやろ?」 「信治……あんまり女に固執せんさか、大丈夫かおもてん……」 確かにそうや。 いつもの俺やったらここまで怒らんやろけど、バイトの首と国際級の年齢詐称でどうにもならん状態やったんや。 「今日は特別機嫌悪いんや!もうええわ。お前ら好きにせえ。修、お前も破門や。アヤ、もう、お前とは二度と遊ばへんさか」 「え?待って。信治君……嘘や。嘘や言うて」 裸の男を隣に置いて今更何言うんな? さっきまで、ネコ並みにサカっとった癖に。 なんの説得力もないわ。 縋りつく裸のアヤを足蹴にして、アパートを出た。
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