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家に着くと、ヤケに家の中がシーンと静まりかえっとった。
いつもやったら、オカンが夕飯の用意をしてるし、オヤジは座敷でテレビ見とる時間や。
それが、玄関の引き戸を開けても、なんも音が聞こえて来ん。
玄関の鍵は開いたままや。
不思議に思いながら、靴を脱いで廊下の突き当たりにある座敷に入ると、よそ行きの格好したオカンが仁王立ちになってオヤジを睨み
付けとった。
オヤジはそんなオカンの眼の前で正座したままや。
パチンコに金つぎ込んで怒られるのはしょっちゅうやし、それ位はいつものことやし……
座敷の引き戸を開けたまま、オカンとオヤジを交互に見た。
オカン……俺に気付いとるはずやのに、見て見ぬ振りや。
しゃーない。
俺から声をかけることにした。
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