不幸の始まり

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ボンクラ親父! そう叫んで、自分の財布から親父の煙草代を出して、レジに叩き入れた。 イライラしながら、コンビニのカウンター内に立ってたら、ドアを押して入ろうとして来た男性客が、そのまま、後歩きして帰ってった。 ビデオの巻き戻しみたいやった。 う~ん。 どうも、このコンビニ、客足がトロイわ。 高校を卒業して三カ月。 どこも就職先が決まってなかった俺に、進路指導の教師が見かねて紹介してくれたコンビニのバイト。 入った当時はここの店長が忙してネコの手も借りたい言うてたのに。 言うほどもあらへん。 客がさっぱり来やへん。 来た思たら、たかりの親父や。 ドアの向こうからこっちを見ては素通りする通行人ばっかや。
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