修羅場に出くわす

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カチャリ ドアの鍵が開くなり、中から洋介が俺に飛びついて来た。 「信治……今の話どう思う?」 大きな図体の洋介が鼻水啜りながら泣いとる。 俺は、身体を仰け反りながら 「分かった。修のヤツフザケタ男や。お前の気持ちはよう分かる。せやから……鼻水付けるな。なあ?」 「信治も、修に女寝盗られたんか?」 鼻を啜りながら洋介が俺から離れた。 「そんなとこや。せんで、さっき、あいつを破門にしたばっかや」 「それで修の破門の件……言いにここへ来たんか? 胸糞悪い高校の先生おるさか、信治、このアパートにあんま来やへんやん」 「まあ……それも有るけど……すまんけどな洋介、しばらく俺をここへ泊めてくれへんか?」 「はあ?なんやて?」 一瞬ものすごうイヤな顔しよった洋介が飛び上がって俺から離れた。
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