リサの携帯

3/15
前へ
/185ページ
次へ
生憎体育教師は授業中で、職員室には進路指導の先生がいて 「おう。織田。坂田先生から話は聞いとる。まあ、ここへ座れや」 そう言われて手招きしてきた。 職員室に入って進路指導の先生の席の前に座り、辺りを見渡した。 授業中で、職員室の中には他に数名しか先生はおらんかった。 「あんな織田。こんどの就職先は、普通の一般企業や。ちゃんとした株式会社らしいわ。コンビニのバイト言うわけに行かんぞ? 面接の時はちゃんと履歴書持って、スーツ着て出向くんやぞ」 「それは……わかっとります」 「ええか?面接で、面接官を睨(にら)んだら即、不合格や。嘘でも作り笑いくらいせえよ。ちょっと、笑ってみ」 言われた通り、進路指導の教師に向かって思い切りニッコリスマイルを浮かべた。
/185ページ

最初のコメントを投稿しよう!

423人が本棚に入れています
本棚に追加