不幸の始まり

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そんなこと思いながら、時計を見ると三時をちょうど回ったとこやった。 ドアが開いてそっちを見ると、アイスの棒を持った小学生が、なんや、怯えながらそのアイスの棒を俺に差し出した。 「す……すんません。これ……当ったんやけど」 差し出したアイスの棒にアタリと書いてあった。 「おう。同じアイス、持ってけや」 「は……はい。それじゃ、貰ってきます」 小学生は、おどおどしながら、アイスの入っとる冷蔵庫に走り寄り、その中の一つをふんだくり 「これ……同じヤツやさか」 それだけ言って外へと走って行きおった。 ったく。 このコンビニ。 儲けてるんかいな? 昼からずっと、この調子や。アイスタダで交換した分、赤字っちゃうんか? まあ、俺の時給を引いたら、もっと赤字や。 暇すぎる時間だけ経ってった。 う~ん。 暇や。 俺、暇になったら、無償に性欲沸いてくるんや。 クソ! 客、来やがれ!そう愚痴りながら、出入り口のドアを睨みすえた。
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