初めての面接

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「条件反射って……それはイヤやな」 「今のこの時間内でも、百行はパソコン入力できたんよ。この時間もったいない思わん?」 「そうやな。コーヒー入れとったら、仕事遅れるもんな」 「前はね良かったんや。もう一人事務員おったから。でも、この前ね……」 「うん? この前どしたんな?」 急に声のトーンを小さくした樹里が 「その事務員、妻子持ちのコンピューターのシステム会社の社員とどっかに逃げたんや」 「はあ?それって駆け落ち?」 「そう。 エライ不細工な男の人やったけど、スーツ着てたからカッコ良く見えたんかな? ほら、ここの従業員、作業服に長靴履きの人ばっかやし」 「そんなもんなんかな? しっかし駆け落ちって、女心は分からんわ」 今の俺、マジ女心は分からん。 女は裏切る種族や。 年、平気でサバ読む種族や。
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