初めての面接

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「ねえ。信治君」 「はい」 「これから、わたしのこと今みたいに庇ってね。新しい事務員来ても仕事慣れるまで忙しいなるから、忙しいみたいやって庇ってね」 「はい。それくらいやったらいいますよ。俺、こう見えても女子には優しいし」 「うん。顔怖そうやけど、喋ってみると信治君、優しそうやわ」 「そうすかね?」 「うん」 それきり樹里は何も喋らず、俺も喋りかけもせず、そのままソファに座って竹島常務を待った。 しばらくして竹島常務のマイカー(プジョー。えらい高級車や。しかも似合ってないし)の助手席に乗せられて、常務行き付けの喫茶店に向かった。
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