423人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねえ。信治君」
「はい」
「これから、わたしのこと今みたいに庇ってね。新しい事務員来ても仕事慣れるまで忙しいなるから、忙しいみたいやって庇ってね」
「はい。それくらいやったらいいますよ。俺、こう見えても女子には優しいし」
「うん。顔怖そうやけど、喋ってみると信治君、優しそうやわ」
「そうすかね?」
「うん」
それきり樹里は何も喋らず、俺も喋りかけもせず、そのままソファに座って竹島常務を待った。
しばらくして竹島常務のマイカー(プジョー。えらい高級車や。しかも似合ってないし)の助手席に乗せられて、常務行き付けの喫茶店に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!