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横山が家の鍵を開けて玄関へ入ればその後ろから大倉も入り靴を脱いでリビングへと向かう。
横山は、大倉を傷つけたかったわけではない。
楽屋で。しかも久々の大倉の体温。
自分が我慢できるはずがない。だからわざと突き放すようなことを言ってしまった。
家に帰ったらなんでもしてやると告げた以上、彼の望みは何でも叶えてやりたいと強く思った。
が、予想外に大倉は家に入るとそのままソファへと転がってしまった。
内心横山は驚いた。抱き締めて、キスして、それから…なんて考えていた自分が恥ずかしい。
「大倉、」
戸惑いながらもソファへ寝転んでいる彼の顔を覗き込む。
「っ…」
「横山、くん…?」
思わず言葉を詰まらせた。泣いてるなんて、わからなかったから。
大倉に覆い被さるように跨がり、ごめんと告げるように唇を重ねる。
横山の首に大倉の腕が回り何度も口づけて離す。
未だに涙を浮かべた大倉に、横山は欲情した。
にやりと横山が口角を上げると大倉の口許も微かに緩んだ。
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