おきなわ

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透きとおるような蒼い空 何処までも碧い碧い海 レンタカーの窓から 君は飽くことなく 景色ばかりを見ていたね 国頭から喜屋武まで のんびりとした 当ての無い旅 君は景色に夢中で 僕の方を見てくれなかった 僕はそれが少し不満だった 首里に小録そして与座 君はひめゆりの塔で 涙をこぼした 君は僕の手を強く握って 言った わたしは幸せでいいのかな こんなにも純真な人たちが 若い命を散らせていったのに わたしは幸せでいいのかな 僕は君に答えられなかった 僕もそう思ったから 僕は君の手を強く 強く握り返すことしか 出来なかった
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