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「すいません。注文良いですか?」
「はい。……あ」
「山田君って、バイトしてたんだね」
俺に声を掛けたのは、中島君だった。
微笑みながら、小さく手を振ってくる。たぶん、意図的に俺に声を掛けたんだろう。
「あ、はい。…ちょっとした小遣い稼ぎみたいなもので……それで、注文はどうします?」
「あー…っと、……お勧め、は?山田君の」
決めていたから呼んだんじゃないのか。少しだけ心の中でそう思った。
今の中島君の態度、言葉の間からは、只単に俺に声を掛けようとしたとしか思えない。
「お勧めは……えっと、飲みに来たんですか?」
「食べにも、飲みにも来た」
……四時なのに。
おやつ?
「そのミルクティーと、ケーキセット…」
中島君がテーブルに広げていたメニューを指さした。
完全に甘党の俺の好みだけど…。
「じゃあ、それで」
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