5.おうちへ帰ろう

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「はーい」 どちら様ですか?と、狭い隙間から外を覗き見る。 ……しかし誰も居ない。 バタン。 隣のドアが閉まる音がした。 因みに、朝のお隣さんとは逆隣りだ。 ……何だ? 足元を見ると、紙袋がある。 外に付箋が貼ってあって、 そこには『おすそわけです』と書いてある ……とりあえず、中に入れるか。 もしかしたら、ただのすごい人見知りで親切な人かもしれない。 「大丈夫だったか?」 「あ、うん……何か貰った」 入江と2人で、紙袋を開けてみる。 中に入っていたのは…… …………自主規制の白ジャム。 入江は無言で俺の頭を撫でた。 その目はとても、同情的だ……。 「あとで捨てといてやるよ」 「……お願いします」 もう泣きたい。
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