二夜・蜘蛛恐怖症

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 或日の夕方の事です。  マンションに戻り、エレベーターに乗ろうとした所、目の前の光景に、僕は動け無くなりました。  エレベーターの前に蜘蛛の死骸が散乱していたのです! 今思えば罪の意識が見せた幻影なのかも知れませんが…。  僕はその夜。  今でも記憶に鮮明に残る程のおぞましい体験をする事になりました。  覗き穴から部屋の中を覗く様な風景。僅かに見える情景の中、僕は家族に助けを求めるという夢です。  あまりにも怖くなり目が覚めると、布団の上には、信じられないものが乗っかかり僕を見ていたのです。  大きな白い蜘蛛の霊でした。  泣きながら母に説明すると、母は僕にこう言ったのです。  『あんたが馬鹿な事をするけえよね!』  『きっと、蜘蛛に食べられた夢を見たんじゃろ 謝りんさい』  今思えば、親は子供の言った事と真摯に聞かないものかも知れませんが、当時の母がそう言ったと言う事は、恐らく僕に殺害された蜘蛛は 、夢枕に立つ事で、命を粗末にする事を訴えたのかも知れません…。  ご免なさい。  
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