弥蜘と弥凪

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バンッ とテーブルを叩きながら弥凪は、瓜二つの顔へと近付け棘ある言葉を掛け始めた. 「ちょっと弥蜘っ、何で電話にでないのよっ!!」 「(……また不携帯してたか)」 そう飽きれながら溜め息をつくも声は掛けずにただ静かに眺めていた. 「えぇ~だってボクには必要ないし、…ねぇ 」 笑いながらそう話す弥蜘に対しワナワナと震えだした弥凪はボソリ 「歯ぁ喰いしばれや」 と呟くと勢いよく顔を上げた矢先、腕が空を切り弥蜘の右頬へと思いっきり入っていく. その殴られた勢いで弥蜘は座っていた椅子から飛ばされ、テーブルは倒れ、食器がガチャガチャンッと豪快な音を立て落ちていった. 「アンタがなくてもコッチはあるのよっ!馬鹿嫡男がっ!!」 弥凪の紅髪がまるで般若のように見え、その怒鳴り声は屋敷の外に迄 聴こえたらしく、行き交うモノ達は何事かと店を横目にただ通り過ぎるだけであった.
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