プロローグ

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゙汝、力を欲するが ……え?何?力? ゙そうだ。世の常を逸脱する、人を超えた力を汝は欲するが あぁ、そういうことね。 省きすぎて純粋に筋力か欲しいか訊いてんのかと思ったぞ。 人の力を超える力、ねぇ…… イマイチ意図が謀れない質問だな。 まあ、瞬間移動とかだったら貰っといて損はないかも。 どうせ、鈴葉あたりに起こされてこの夢は覚めるんだ。 寝てる時くらい、超人気分を少し味わったってバチは当たらないだろ。 というわけでください。 ゙ならば汝、楔を打ち立てよ゙ ふむ、流石に無償で力をくれる道理はないようだ。 予想はしていたが、なんともケチ臭い門だな。 しかし、夢の存在ですらテンプレートな言葉選んでくる辺り、本当に厨二病なんだな俺って。 呆れを通り越して逆に清々しいわ。 で、それで楔だったっけ? 二つの物事を強く結びつけるとかの意味だったはず。 そうだな、確か一週間前に鈴葉に「財布空っぽだから借りてく」とか言い残して勝手に野口さんが一人拉致されたな。 あれには久しぶりに殺意が沸いた。 よし、野口さんを取り戻すために力を手にいれようそうしよう。 とまあ、そんな感じの安い引き換えで力が手に入ったら万々歳なんですけどね―― ゙確かに。汝の楔は打ち立てられだ そうそう、俺の楔は見事打ち立てれって……は?嘘、いいの? 千円札の奪還だよ? 過酷な運命を背負った主人公が背水の陣まで追い込まれて初めて引き換えにできる、そんな命に匹敵するものじゃないと受け付けてくれないとか思ってたよ! 超人能力が中古クソゲー三本分と同価値でいいの!? そうか、世の常を超えた力を手に入れるのに世の常の識は通用しないということか……そうなのか? ゙では坂城清祥(さかきせいしょう)、汝に『同調』の力を授けよゔ
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