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プロローグ
目の前に巨大な門が聳(そび)え立っていた。
黒を基調にした重厚とした造りで、六芒星に三角形やら四角形やらをくっ付けて魔改造した紋章のようなものが、門の中央でぼんやりと鈍く光っている。
真っ白な空間に堂々として立つそれを、俺はふわふわ浮きながらボーッと見ていた。
ここは、どこだ?雪原地帯かなにか?
それとも、異世界転生系ラノベの定番、俗に言う神の世界か?
……ああ、夢だわコレ。パジャマ着てるし間違いない。
それにしてもでっかい門だなー、ビル30階分って説明されても信じられる。紋章のセンスはないけど、ここまで大きいと壮観だなぁ。
なんとなく感動していたその束の間、何処からか声が響いてきた。
低音で重々しい、熟年の男性を彷彿とさせる厳かな声を。
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