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「分かった、いいよ。」
あたしはその条件を受け入れることにした
そして、奴は一歩また一歩とあたしに近づいてきてとうとう目の前まできた。
近くで見るとものすごくカッコイイ。
あ、遠くからでも充分だけどね…
て、あたし!
何見とれてんのよっ!
だけど、茶色のサラサラした髪に透き通った瞳。顔は整いすぎていてヤバい。
身長は多分だけど185センチくらいかな?
奴をまじまじと見て分析していると。
「オレに見とれてる?」
と上から言葉が降ってきた。
その顔は太陽の光で良くは見えないけど、多分…笑ってる。
ていうか。見とれてるって自意識過剰なのかな…?
でもたしかに、これだけルックスが完璧だったら自信だってつくよね…
あたしと大違い。
「そんなわけないじゃない。それより、早く済ませてよ」
と言ったものの、近くなる距離に心臓はバクバクしていて爆発しそうなくらい。
だけど、そんなあたしの心情を知らないコイツはだんだんとあたしの顔に近づいてきて…
「ん……」
とうとうキスしてしまった。
あたしの唇に温かくて柔らかい感触…
全身に電流が走ってるみたいで体に力が入らない…
「力抜けてるよ?そんなに良かったの?」
唇を離した奴があたしに問う。
むかつく言い方。
でも、悔しいけどその通り。
コイツとのキスは極上に甘かった。
悔しいけど…っ!
「ちが…!あんたとのキスなんてたいしたことな…」
「瑠生。」
「え…」
突然言われた言葉に頭がついて行かない。
「オレは、松木瑠生。あんたって名前じゃないよ。」
「あたしだって…あんたって名前じゃないもん。」
松木瑠生…
そういえば、校内でこの名前は毎日聞くかも…。
女子がいつも騒いでてうるさいしね。
「うん。だから名前教えてよ。」
「平沢花蓮。」
あたしが自分の名前を名乗った瞬間…少しだけ瑠生が驚いた表情をした。
え、なによ?
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