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いつもの通学路も、裕也と帰るときは少しでも長く一緒にいられるように、例え4時に学校を出たとしても、家につくのは6時頃になるくらい遠回りをする。
今日も、いつもの商店街の真ん中まできたくらいのところで、まっすぐ行くところを曲がった。
ここはいつも人がいない。
隣では商店街の人々がガヤガヤとうるさいくらいににぎわっているのに、少し曲がったここでは、その声が全くと言っていいほど届かなくて静かだ。
まるで一気に違う世界へワープしたみたい。
この少し先には、何もないスペースがある。周りは家で囲まれているがほとんど誰も通らない。
道路もないので、ここの近くには車が通らないし、音もしない。
ウチは、よくここで学校帰りに友達としゃべっていた。
荷物を全部投げ捨てて、学校では隠し持っていた持ち込み禁止のお菓子を出す。
倉庫の様なところに寄りかかって、綺麗な夕日を眺めながら盛り上がるおしゃべり。
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