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裕也は、申し訳なさの欠片もない、無邪気な笑顔で、芽依の話をする。
ウチも、笑顔で楽しそうに乗っかる。
ふりをする。
やっといつもの別れ道にきた。
きっと、大好きだった裕也と一緒に帰れるのは今日で最後。
でも、ウチは早く裕也から離れたかった。
だって、下を向いたらこぼれそうなくらい、目に冷たいものがたまってるんだもん。
ウチは、笑顔で終わらせるって決めてたから、笑顔で手を降る裕也に、終わりを告げる言葉を叫んだ。
「明日から友達としてよろしくお願いします!!!」
そのあと、ウチは残りの帰り道を、空を見上げて歩いた。
上を向いていれば、きっとこんなもの、乾いてくれる。
アイツのために、こんなものこぼしたくない。
結局は変な意地だったんだ。
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