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紫にスキマに落とされ、幻想郷に来た有鬼。
痛みのせいで目をさます。
辺りを見回してみると、和室だった。和風ではなく江戸時代に来たかのような、いかにも《和》だった。
有鬼
(布団の上?ということは誰かに拾われてここにいるのか?)
?
「あっ、目をさましたんですね?」
そばに人がいることに全く気づかなかった有鬼。よっぽど油断していたのだろうと少し自己嫌悪した。
有鬼
「あなたは・・・?」
?
「私の名前は東風谷早苗です。」
有鬼
「助けてくれたのは早苗さんなんですか?」
身体を起こしながら訪ねる。
早苗
「違いますよ~。看病していたのは私ですけど、妖怪の山に倒れていたあなたを連れてきたのは神奈子様ですよ。あなたが目をさましたので呼んで来ますね。」
有鬼
「あっ、ちょっと・・・!」
早苗は神奈子という人を探しに行ってしまった。もし早苗の話の通りならば、神奈子が有鬼の命の恩人ということになる。
有鬼
「神奈子さんという人にお礼を言わないとな・・・」
そう呟いた有鬼は、ふと気配を感じ、縁側の方を見る。
そこには、一人の女の子がいて、有鬼の姿を確認すると、有鬼のほうへ歩いていく。
?
「君が神奈子が拾ってきた、もとい運んできた奴かい?」
その幼そうな外見とは裏腹に、有鬼は強い力を感じた。
有鬼
「(この力・・・もしかして神の・・・?・・・聞いてみた方が早いな。)そうですが・・・つかぬことをお聞きしますが、あなたは神様ですか?」
?
「お、よくわかったね。私は洩矢 諏訪子。ミシャクジという土着神を統括している神様さ。」
有鬼
「(やっぱり神様だったか・・・どうして俺はこう神様と縁があるのか・・・まあ、今はいいか。)えっと・・・洩矢様。聞きたいことがあるのですが・・・」
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