5人が本棚に入れています
本棚に追加
『そうだ、優真! 急で悪いんだが、今から私の事務所に来れないか? もちろん、古崎も連れてな』
雪亜もーーという事は、岸間さんは何か重大な事を直接話したいという事だ。
「今からですか?」
俺は、腕時計を横目で見る。
時刻は深夜の一時を回っていた。
こんな時間に呼び出すなんて、やっぱり岸間さんは人使いが荒い。そして、強気な性格は相変わらず変わっていない。
「明日は仕事も休みだし、いいですよ」
と、渋々、一言で了承した。
『そうか! では、事務所で待ってるからな』
ツーツーという規則的な音と共に、電話が切れる。俺は強ばっていた口元を緩めて、軽く息を吐き出した。
最初のコメントを投稿しよう!