私は誰

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組織の表向きは一般区の総務の多くを扱う総務庁の役割も担っている。俺のような裏方の人間は表と裏両方の職務をこなさねばならない。日々様々な所を駆けずり回っている。令見にはああ言っているが、結構俺の仕事も大変なのだ。なぜ俺がこんな仕事をしているのかは嫌な記憶を思い出す事になるし時間もないので、またの機会にしよう。ストレスですっかり寒そうになった頭をした俺の表向きの仕事の上司、刈谷部長がお呼びだ。 「今日はどんな仕事ですか?」 「記憶複製の手続きと立ち会いだ。すまないな。お前は仕事が早いからつい色々と頼んでしまう。」 令見はもちろん、俺の周りには気の悪い人はほとんどいない。この人も例外ではない。煩わしい雑務の中で俺がなんとかやっている重要な要因だ。 「お安い御用ですよ。」 俺がお安い御用で出来ているのには裏方のサポートが付いているからであって普段は八割がた俺の表向きの仕事をそのサポートに任せているからだ。規則正しい勤務時間がなされていて、なんだかんだオーバーワークは与えられていないからありがたい。その分、相当なトレーニングを強いられているが。 「助かるよ。今回は俺も同行するから。」 ん?待て待て。それでは、サポートに引き継げないではないか。 「いやいや!わざわざ部長の手を煩わせる程でもないですよ。」 「そんな風にのけ者にするなよー。」 これでは、いい人というよりお節介だ。 「今日はお前一人じゃ仕事が多過ぎる。早く行くぞ。」 はぁ、今日ばっかりは帰れそうもない。
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